乙類焼酎とは、単式蒸留で造ったアルコール度数45%以下の焼酎のこと。
特徴
さつまいもで造られる芋焼酎や、大麦で造られる麦焼酎、米で作られる米焼酎などが有名。それぞれの特徴的な香りがよく出る。
原料
主原料と麹の2つの原料から作られる。
主原料
主原料は焼酎の特徴を決める最も重要なポイント。
芋焼酎のさつまいも、麦焼酎の大麦、米焼酎の米、黒糖焼酎の黒糖などがこれに当たる。
酒税法では穀類といも類の他に、以下49品目が定められており、そのすべてで焼酎が作られている。
あしたば、あずき、あまちゃづる、アロエ、ウーロン茶、梅の種、えのきたけ、おたねにんじん、かぼちゃ、牛乳、ぎんなん、くず粉、くまざさ、くり、グリーンピース、こならの実、ごま、こんぶ、サフラン、サボテン、しいたけ、しそ、大根、脱脂粉乳、たまねぎ、つのまた、つるつる、とちのきの実、トマト、なつめやしの実、にんじん、ねぎ、のり、ピーマン、ひしの実、ひまわりの種、ふきのとう、べにばな、ホエイパウダー、ほていあおい、またたび、抹茶、まてばしいの実(どんぐり)、ゆりね、よもぎ、落花生、緑茶、れんこん、わかめ
果実はブランデーとの区別のために使用することはできないが、ナツメヤシの実だけは焼酎を作ることができる。これには、焼酎の起源がナツメヤシの実で造られていたためという説がある。
砂糖・黒糖はラム酒との混同を避けるため使用することはできないが、歴史的な観点から奄美大島でのみ黒糖焼酎の製造が許されている。
麹
麹は、焼酎の香りやアルコールを生み出すのに必須の物。
麹原料の多くは米を用いることが多いが、技術発展により、さつまいもで造る芋麹や大麦で造る麦麹などが生まれた。
その全てを麹で仕込んだ、全麹仕込みで焼酎を作る場合もある。
製法
乙類焼酎の製法は以下参照。
本格焼酎との区別
乙類焼酎は本格焼酎と言われることもある。
「乙」には「第二位のもの」という意味があり、これでは甲類焼酎に劣っているような表現だという意見があり、本格焼酎と言われるようになった。
本格焼酎は厳密には乙類焼酎と同義ではない。ただし、ほぼ全ての乙類焼酎は以下の本格焼酎の定義を満たしているため、ほとんど同じように扱われることが多い。
■本格焼酎とは?