フーゼル油とは、蒸留後の焼酎に含まれる油滴の事。
稀に白い塊がスノードームのように浮くことから、焼酎の華ともいわれている。
目次
特徴
フーゼル油は蒸留酒を造る際に一緒に蒸留される脂肪酸の総称で、水に溶けにくく比重が水よりも軽いため、蒸留酒を作る際に油滴として分離し、酒を濁らせたり表面に浮いてくることで知られている。
名前の由来はドイツ語のFusel(フーゼル、品質が悪い安酒の意)であり、過去に二日酔いの原因などと言われていた。しかし、現在は否定されている。というのも、二日酔いの原因となる物質はエタノールの代謝によって生成するアセトアルデヒドと言われており、フーゼル油はこれとは関係がないためである。
味わいについて
焼酎においては、フーゼル油があることで独特の旨味や重厚感のある味わいを感じられる。
また、長期間熟成させることで甘みやコクが増し、クセが取れまろやかになるとも言われている。
しかしフーゼル油は油であるため、ある条件下ではどうしても酸敗してしまう。酸敗すると異臭や雑味が出てそれ以降その焼酎を楽しむことは難しい。
酸敗の条件は、以下のいずれか後、しばらく放置することである。
- 高温状態
- 日光(紫外線)が当たる
- 空気(酸素)に触れる
これらのため、すぐに飲まず熟成させる場合は未開封のまま冷暗所に保管するのが望ましい。
銘柄によってはUVカット素材で瓶を包んでいるものもあるため、その布はできるだけ取らずに包んでおくことが望ましい。