製麹(せいぎく)とは、穀類や芋類に麹菌を着床させ、麹を作る作業のこと。
その蔵によって細かい製法は違うが、具体的には以下のような手順を踏む。
①蒸す:
洗った後、吸水させた米などを蒸す。
②種付け・種切り:
種麹(あらかじめ麹を着床させたもの)を、蒸した米・芋などに混ぜ合わせる。
もしくは
種麹(あらかじめ麹を着床させたもの)をざるのようなものにいれ、菌を蒸した米・芋などに振りかける。
③もみ上げ・切り返し:
蒸米を冷ましながら、麹種をよく混ぜ込む作業。
④繁殖:
麹の至適温度(38~39℃)に保ちながら繁殖させる。
麹が活発に働くと、どんどん温度が上がっていく。しかし上がりすぎると働きが鈍くなるため、風を送るなどして温度を下げる。そして、下げ過ぎも働きが鈍るため、1℃という狭い範囲を絶妙に温度調整する。
これらの作業は、日本酒蔵では手作業で行われることが多いが、焼酎蔵ではほとんど機械で管理している。(それでもトラブルが無いように長時間の監視が行われる。)
そこで、この工程を職人が手造りで行っている焼酎を「手造り」と題している。
また、麹菌は水分を求めて根を張るため、麹の元の素材は、外硬内軟(がいこうないなん)という内側に水分を蓄える性質のものが適している。これが麹にタイ米を使う理由にもなっている。