こんにちは!酎ログ編集部です!
焼酎の中でも、単式蒸留で造られる本格焼酎と乙類焼酎は、似ているようで違うものなんです。
今回はそんな、本格焼酎と乙類焼酎の違いについてご説明します。
おさらい
そもそも焼酎の種類として、蒸留の違いで甲類と乙類に分かれています。
甲類は連続して蒸留することでクセのないクリアな味わいに
乙類は原則1回のみの蒸留で、独特のクセや香りを残した味わいとなっています。
本格焼酎と乙類焼酎の違い
焼酎の区分の中でもややこしいこの2つですが、実は少しだけ違うのです。
乙類焼酎の中には、コストを下げるために、くず米やくず芋といった粗悪な素材が使われることがあります。そしてこの素材で造る焼酎は、独特な臭いが発生します。
その臭いを取るために、砂糖・クエン酸・酒石酸などを使うことで飲みやすくされます。
合成着色料黄色4号、5号などを使用し、樽貯蔵に見えるよう着色されることもあるようです。
※実際には酸味料や着色料はほとんど使われていないようです。
本格焼酎では、このような食品添加物は使われません。
乙類焼酎
酒税法は国が定める法律として、お酒の原材料や製造方法から、その酒が何であるかを定義しています。
中でも焼酎は「穀類、芋類などをそれらの麹により発酵させてアルコールを得たもの(抜粋)」とされており、蒸留方法の違いで甲類と乙類に分かれています。
本格焼酎
対して本格焼酎は、「黒霧島」を造っている霧島酒造株式会社が使い始めたものです。
現在、その呼称には以下のような決まりが設けられています。
1.麹を使用
2.原料は、穀類(麹も含む)・いも類(麹も含む)・酒かす・黒糖及び穀類、芋類を主原料とするその他原料
3.単式蒸留器で蒸留したもの(原料本来の豊かな風味と香りの秘密は、この蒸留法にあります。)
4.一切の添加物を加えないもの( 水以外は加えない。)
ほとんどの乙類焼酎が当てはまっています。
そもそも甲乙という分け方は、一方が優れていて、一方が劣っているという表現になってしまいます。
これに対して「乙類焼酎という表現を本格焼酎にしよう」として呼称を始めたのがきっかけです。
第3の焼酎
近年では、第3のビール…ではなく、第3の焼酎が販売されています。
それが、甲乙(乙甲)混和焼酎。
甲類焼酎と乙類焼酎を混ぜ合わせることで、クリアな飲みやすさと、飲みごたえのある味わいを合わせたものです。
混ぜ合わせることで、「安価でクセのない、それでいて飲みごたえのある」より大衆向けに作られた焼酎となっています。
ちなみに甲乙(乙甲)混和焼酎の、「甲」と「乙」の順番は、どちらが多く含まれるのか?で決まっています。
麦焼酎と甲類焼酎で造られていた場合、『麦焼酎』として販売できるというのがポイントです。
例えば甲乙混和焼酎の1つである『かのか(アサヒビール株式会社)』では「焼酎甲類乙類混和」と表示しつつも、麦焼酎として販売されています。
「混和焼酎だから悪い」「本格焼酎だから良い」というわけでは無く、ひとえに麦焼酎といってもこれらの区別があるということには注意しましょう!
最後に
乙類焼酎と本格焼酎の違いとして、どのように誕生したのかわかりましたね!
近年ではより安価な甲乙混和焼酎も誕生し、さまざまな人に楽しまれているのがわかります。
これを逆にとらえてみると、「買った焼酎のクセがつよくて飲みにくい」という場合には、甲類焼酎で混ぜると、より飲みやすくなるということです。
奥深い焼酎の世界、どっぷりハマってみてはいかがですか?